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HIV陽性者のゲイが治療や予防についてアレコレ語るブログ

2回目の検査結果と手帳申請手続き

みなさんこんばんは。
いしざわです。

先日受けた2回目の検査結果をもとに、主治医に身体障害者手帳・更生医療の申請書類を作ってもらう段取りになっていましたが、その書類が届いたので、区役所に手続きに行ってきました。
今日はそれについて書きたいと思います。

2回目の検査でもCD4は500を切らず

以前、1回目の検査結果を聞いた際に、身体障害者手帳の申請条件について調べて記事にしました。

hiv-positive.hatenablog.jp

この際に「CD4が500切らないと申請を通せないんじゃないか?」といった懸念が出ていたため、2回目の検査値がどうなるかちょっと気になってはいました。

先生から直接検査結果を聞いたわけではありませんが、郵送されてきた申請書類に検査値が書かれていたので、数値状況は分かっています。

【1回目検査】

  • CD4:610
  • ウイルス量:46,000

【2回目検査】

  • CD4:535
  • ウイルス量:100,000

2回目検査で悪化してるけどCD4は500を切らず、といった、健康面でも手帳申請の面でも絶妙に嫌なところに着地。
ウイルス量も2倍以上に増えて10万の大台に乗ってしまったので、いろいろ嫌な感じです。

とはいえ、エイズ発症(日和見感染症の発症)の目安となるCD4=500を切らない状態は維持できているので、そのあたりは素直に喜んでもいいかもしれません。
先生が言っていた「早期判明だし、急速な悪化はたぶんない」といった言葉を今は信じたいと思います。

専門医は制度の抜け道も知っている

おさらいも兼ねて、前回検査の記事の際の身体障害者手帳の条件を再確認してみます。

www.haart-support.jp

上記記事から、手帳4級の申請条件を引用。

等級表4級に該当する障害はヒト免疫不全ウィルスに感染していて、次のいずれかに該当するものをいう。
I. CD4陽性Tリンパ球数が500/μL以下で、(1)の項目(a~l)のうち1項目以上が認められるもの。
II.CD4陽性Tリンパ球数に関係なく、(1)の項目(a~l)のうち(a~d)までの1つを含むを含む2項目以上が認められるもの。

上記記事から、(1)の条件部分を引用。

a.白血球数について3,000/μL未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
b.Hb量について男性12g/dl未満、女性11g/dl未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
c.血小板数について10万/μL未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
d.ヒト免疫不全ウィルスRNA量について5,000コピー/ml以上の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
e.一日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労が月に7日以上ある。
f.健常時に比し10%以上の体重減少がある。
g.月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
h.一日3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
i.一日2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
j.口腔内カンジダ症(頻回に繰り返すもの)、赤痢アメーバ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウィルス感染症(頻回に繰り返すもの)、糞線虫症及び伝染性軟属腫等の日和見感染症の既往がある。
k.生鮮食品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
l.軽作業を越える作業の回避が必要である。

ウイルス量は前回検査時に基準を満たしているのは分かっており、手帳申請には2つ目の理由が必要でした。
そして、主治医が検査結果を踏まえて、申請理由として採用したのは「生鮮食品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である」といった条件でした。

www.kyumed.jp

上記のページを見るとわかると思いますが、生鮮食品の摂取禁止が発生するのはCD4が200以下の状態とされています。
CD4が200どころか500すら切っていないので、生ものを食べてもまず問題は出ないはずですが、この条件で通しちゃっていいんですかね…

ただ、条件の文面は「生鮮食品の摂取禁止日常生活活動上の制限が必要である」といった広範囲をカバーする書き方になっており、生鮮食品の摂取禁止以外であっても、日常生活を送るうえで何らかの制限事項(注意事項)があれば手帳申請の条件として認められるようになっているといった形で、医師所見で通せる抜け道が用意されているようです。

なお、主治医からは「問題ない数値とはいえ、健常者と比べると免疫力が落ちてるので体調管理には気を付ける」といった注意くらしいかされておらず、制限事項と呼べるものがあるかは怪しい状態です。
おそらくこの条件で通すしかないので、建前上はそうなっているのでしょう。

区役所での申請手続き

書類の事前準備

事前に準備する書類はこの3つです。

  1. 身体障害者手帳の意見書(診断書のフォーマット)
  2. 更生医療の医療費計算書
  3. 更生医療の申請書

このうち、1と2は主治医に書いてもらう必要があるので、予め区役所に取りに行っておき、2回目の検査時など、病院側から要求があったタイミングで病院側に渡す必要があります。
3については自分で記入します。

なお、病院によってはソーシャルワーカーが書類の準備をある程度代行してやってくれる場合もあるようですが、私が行っている病院ではその手の支援はありませんでした。

当日の手続き

上記の書類ができた後に、区役所に行って手続きをします。
当日持っていくものは下記の通りです。

  • 事前に準備した書類3通
  • 健康保険証
  • マイナンバーカードもしくはマイナンバー通知カード
  • 身分証明書(マイナンバー通知カードを使用する場合)
  • 印鑑(自治体によっては必要ない場合あり)

また、申請当日に記入する書類もあります。

申請書を記入しているタイミングで、並行して区役所のスタッフが意見書の確認(意見書を書いたのがHIV治療の登録医かどうか、意見書の内容に不備がないか)を行い、書き終わる頃には確認が終わっているような状態でした。
書いた後にマイナンバーと身分証明書を確認して手続き完了となります。

私の住んでいる区では障害者手帳の窓口と更生医療の窓口が同一課の別窓口になっていましたが、更生医療に関しては当日記入は特段なく、保険証のコピーを取って終了でした。

事前準備は必要ですが、窓口での手続き自体は正味15~20分程度で終わります。

そして、肝心の身体障害者手帳発行のスケジュールですが、特段問題がなければ2週間程度で手帳発行とのことでした。
当初、申請書類を区役所に取りに行ったときは「申請から発行まで1.5~2か月程度」と言わましたが、蓋を開けてみると思った以上に早いようです。

なお、手帳については通知が届いた後に区役所に取りに行く必要がありますが、更生医療に関しては郵送で開始通知が来るだけなので、再度区役所に出向く必要はないそうです。

 

手帳発行が問題なく進めば、来月から投薬開始となりそうです。
問題なく申請が通ってくれればいいんですが、こればっかりは東京都がどういった判断をするかわからないので、祈るしかないですね。