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HIV陽性者のゲイが治療や予防についてアレコレ語るブログ

検査結果と身体障害者手帳の申請基準について

みなさんこんにちは。
いしざわです。

記事で何を書こうかな、と考えてるうちに2回目の検査日が来ちゃったので、本日、検査・診察に行ってきました。
その際に1回目の検査の結果を聞いたので、それを踏まえて考えたことを書きます。

CD4値・ウイルス量は検査当日に分かるわけではない

2回目の検査に行ったのになぜ1回目の検査の話をするかというと、血液検査におけるCD4値・ウイルス量の数値はすぐに出ないからです。

それに加えて、身体障害者手帳の交付申請の際に「4週間以上の間を空けて検査をした、2回以上の検査結果」が必要となるため、1回目の検査結果が出た後に急いで結果を受け取ってもどうしようもない、ということで、1回目の検査結果は2回目(今回)の検査の際に聞くことになりました。

主治医からは、

  • 今回受けた2回目の検査の結果も加味して、1週間くらいで障害者手帳・更生医療の申請書類を作成し自宅に郵送する
  • 身体障害者手帳の交付までは時間がかかるので、2回目の検査後は、結果が分かり次第早めに動く必要がある(前回同様、1ヵ月待ってから結果を聞くのでは遅い)
  • 身体障害者手帳が発行され、更生医療申請が通り次第、次回診察後から投薬治療を開始したい

…と言われており、実際には数日~1週間程度で検査結果は出るようです。

そこまで免疫数値は悪化してなかった

肝心の検査値ですが、こんな感じでした。

  • CD4:610
  • ウイルス量:約46,000

主治医曰く、

  • 健常者と比べるとCD4値が多少下がっているものの、直ちに問題が起きる数値ではない(日和見感染症、いわゆるエイズの症状が起きるのはCD4=500くらいから)
  • 早期判明ゆえにあまり悪化していない

…といったコメントでした。
前回撮ったレントゲン、今回撮ったCTでも特段異常はなく、体内でHIVウイルス飼ってる以外は健康体との診断を受けています。

CD4値が500を切っていない状態で手帳申請はできるのか

ただ、CD4値がそこまで下がっていないのを手放しに喜べるかというと、治療のことを考えるとそうでもないかもしれません。

HIVの投薬治療を受けるうえで、身体障害者手帳の交付と更生医療制度の活用はほぼ必須となっていますが、CD4値が下がっていない場合、身体障害者手帳の交付を受けられない場合がある旨はTwitterで繋がっているHIV陽性者のフォロワーさんから事前に聞いています。

www.haart-support.jp

上記資料より、手帳4級の基準の部分を引用。

等級表4級に該当する障害はヒト免疫不全ウィルスに感染していて、次のいずれかに該当するものをいう。
I. CD4陽性Tリンパ球数が500/μL以下で、(1)の項目(a~l)のうち1項目以上が認められるもの。
II.CD4陽性Tリンパ球数に関係なく、(1)の項目(a~l)のうち(a~d)までの1つを含むを含む2項目以上が認められるもの。

(1)の項目の部分の引用。

a.白血球数について3,000/μL未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
b.Hb量について男性12g/dl未満、女性11g/dl未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
c.血小板数について10万/μL未満の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
d.ヒト免疫不全ウィルスRNA量について5,000コピー/ml以上の状態が4週以上の間隔をおいた検査において連続して2回以上続く。
e.一日1時間以上の安静臥床を必要とするほどの強い倦怠感及び易疲労が月に7日以上ある。
f.健常時に比し10%以上の体重減少がある。
g.月に7日以上の不定の発熱(38℃以上)が2ヶ月以上続く。
h.一日3回以上の泥状ないし水様下痢が月に7日以上ある。
i.一日2回以上の嘔吐あるいは30分以上の嘔気が月に7日以上ある。
j.口腔内カンジダ症(頻回に繰り返すもの)、赤痢アメーバ症、帯状疱疹、単純ヘルペスウィルス感染症(頻回に繰り返すもの)、糞線虫症及び伝染性軟属腫等の日和見感染症の既往がある。
k.生鮮食品の摂取禁止等の日常生活活動上の制限が必要である。
l.軽作業を越える作業の回避が必要である。

Twitterのフォロワーさん数人の治療状況報告を見ている限りでは、基本的に投薬開始前の状態だと、要件のd(ウイルス量5,000以上)はほぼ無条件で満たすので、実質的に他の1要件で身体障害者手帳の4級の申請基準を満たせることにはなります。
実際、早期発見組の私でもウイルス量5,000のラインは軽く超えちゃってますし。

そして、ウイルス量の条件を満たしている前提で他の条件を考えると、

  • CD4値が500を切っている(基準Iに該当)
  • 血液検査でウイルス量以外の異常値が出ている or エイズ症状が何かしら出ている(基準IIに該当)

…といった条件になります。
今回のCD4の検査値は610なので、基準Iで通すのは無理そうです。

そうなると基準IIで通すことになりますが、血液検査もウイルスが検出される以外はいたって正常で、これといった自覚症状もないので、基準IIで通すのもやっぱり無理そうです。

もしかして、これ、詰みでは??

先生に聞いても回答はやっぱり一緒

上記内容は予め頭に入れたうえで今回の検査・診察に臨んだので、主治医から今後の手続きに関して説明があった際に疑問をぶつけてみました。

  • 今回(2回目)の検査の結果次第だが、CD4値で申請を通すのは厳しいかもしれない
  • 手帳は取れても4級

うーん、全くもって、予想通りの回答でした。

先生の話を聞いてる限りでは次回診療・検査時(1.5か月後)から投薬治療を始める気満々でしたが、果たして本当に申請がうまくいくのかは若干不安なところはあります。

ただ、例の基準は形骸化している部分もなくはなく、医師所見でごり押しすれば申請が通る場合があるとの噂も小耳に挟んでいるので、とりあえずは2回目の検査結果を待って、手続きは進めていきます。
申請が却下された場合はまぁ、その時はその時で。